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4トントラックの 特徴・用途・選び方から維持費まで徹底解説

本記事では、中小企業の事業者・経営者の方向けに、4トントラックの特徴や選び方、購入する際の価格相場、維持費、さらにリースバックを利用した資金調達までご紹介します。

4トントラックは用途が幅広く、積載効率と取り回し(操作性)のバランスに優れた貨物自動車です。この記事を読むことで、実際の導入や運用をスムーズに検討できるでしょう。

4トントラックとは

4トントラックは、最大積載量が5トン未満・車両総重量8トン未満の中型トラックを指します。

平ボディやウイング、冷蔵・冷凍車など、ボディサイズ・架装(かそう:トラックの荷台部分)の違いによって幅広い用途に対応できるため、さまざまな業種で利用されています。

日野自動車のレンジャー(ranger)や三菱ふそうのファイターやキャンター、いすゞのフォワード、UDトラックスのコンドルなど、各メーカーから多彩なモデルが発売されており、事業者のニーズに合わせて選ぶことが可能です。

4トントラックの特徴

4トントラックは、2トントラックよりも積載能力が大きく、大型トラックよりも維持コストが抑えやすい点が魅力です。

平ボディやダンプ、冷凍車、パッカー(塵芥車:ごみ収集車のこと)、クレーン付きなど、さまざまなボディタイプが存在し、標準ボディ、ロングボディ、スーパーロングボディ、ワイドボディなど多様なバリエーションがあります。

車種によってはパワーゲート(power gate)を装備して荷台への積み下ろしを容易にするモデルがあり、中古車市場も活発です。そのためニーズや予算に合わせて選択しやすい点もメリットといえます。

サイズと種類

4トントラックのサイズは、メーカーやボディ形状によって差がありますが、

全長はおおむね6~9メートル程度、幅は2~2.5m程度が一般的です。ワイドキャブを選ぶと車幅が広くなり、荷台幅が増す分、積載できる貨物量を増やせます。

ロングボディやスーパーロングボディなら荷台が長くなり、大型のパレットや多量の荷物を積載できます。

ボディタイプでは屋根がないタイプの平ボディが代表的で、あおり(荷台側面のパネル)を倒すことでパレットなどを積載しやすい構造です。

ウイングボディはサイド部分が大きく開閉するため、フォークリフトでの荷役がスムーズに行えます。

冷蔵・冷凍車は食品など温度管理が必要な貨物の輸送に適しており、ミキサー車やダンプ、パッカー(塵芥車)などの特殊車両も4トンサイズで多く見られます。

4トントラックの種類としては、日野自動車のレンジャー、三菱ふそうのファイター・キャンター、いすゞのフォワード、UDトラックスのコンドルなどが代表的です。

多くの販売店やオンラインサイトで扱いが豊富にあり、ボディサイズや走行距離、装備、車検の残り期間などによって中古車の価格帯は変動します。

購入時は左折・右折での内輪差に気を付ける必要があるため、試乗や安全確認も大切です。

総重量と積載の算出方法

4トントラックを検討する上で押さえておきたいのが、「車両総重量」と「最大積載量」の関係です。

車両総重量(GVW:Gross Vehicle Weight)とは、車両本体の重量に加え、乗員や燃料、積載貨物なども含めた総重量を指します。

一方、最大積載量とは車両総重量からおおむね車体の重量と乗員(1人あたり55㎏)を引いた上で、安全に運転できる重量の限界を示すものです。

4トントラックとは、この最大積載量が約4トンとなるトラックを指しますが、荷台架装やシャーシ仕様などによって実際の数値は異なります。

車両総重量および最大積載量を計算する際は、以下の式が一つの指標です。

●           車両総重量 = 車両重量 +(乗車人数 × 55㎏)+ 最大積載量

●           最大積載量 = 車両総重量 -{車両重量 +(乗車人数 × 55㎏)}

最大積載量を超える荷物を積むことは、過積載という違法行為にあたり、ドライバーに罰則が科されます。

4トントラックで過積載を行った場合は、その割合に応じて以下のような罰則・罰金が適用されるため注意が必要です。

さらに、最大積載量の2倍を超えるような過積載を行った場合は即時告発の対象となり、100万円以下の罰金刑が下される可能性もあります。

ダンプやクレーン、パッカーなどの特殊架装を施すと車両重量が増えるため、最大積載量が少なくなる点に注意が必要です。

冷凍車や冷蔵冷凍車のように冷却装置分を搭載する場合も同様で、装置の重量分だけ車両重量が重くなるため、運搬貨物の特性と積載許容量をしっかり把握しておきましょう。

経済性

4トントラックは2トン車に比べると車両自体が大きいものの、一度に運べる貨物が増えるため積載効率が高まります。

その反面、大型トラックほど維持費や燃費が高額にならないケースが多く、中小企業にとっては手頃な選択肢といえるでしょう。

また、4トントラックは中古車市場が非常に活発です。

走行距離や年式、車検の残り具合、ボディサイズなどの要素によって価格は変動しますが、選択肢が豊富なぶん導入コストを抑えられる可能性があります。

さらに、ワイドキャブやスーパーロングボディを選べば荷台面積を広く取れるため、一度に運搬できる貨物量が増え、業務効率の向上が期待できます。

ダンプやミキサー車、パッカーのような特殊車両も4トンサイズであれば、比較的安価なものが見つけやすいでしょう。

結果として、コストパフォーマンスと実用性のバランスが良好な点から、中小企業の事業者が主力車種として導入しています。

4トントラックの用途

4トントラックの用途は多岐にわたります。

製造業では原材料や製品の輸送、建設業では建材や工具の運搬など、多様な荷物を載せられるため幅広い業種で重宝されています。

平ボディは汎用性が高く、あおりを開けるとフォークリフトでの積み下ろしが容易に行える構造です。

ウイングボディは側面が大きく開くため、倉庫や店舗の荷さばきスペースが限られている現場などでも活躍します。

冷凍車や冷蔵冷凍車は食品・飲料業界や医薬品輸送など、温度管理が必要な荷物を運ぶのに適しています。

また、ダンプやミキサー車は建設業界で欠かせない存在です。

パッカー(塵芥車)はゴミや廃材を効率よく収集する際に使用され、トレーラーほど大型ではないものの、狭い路地や住宅街にも入りやすい点がメリットといえます。

4トントラックの選び方

4トントラックを選ぶ際は、使用目的に合ったボディサイズや最大積載量を把握することが重要です。

併せて、中型自動車免許の取得時期や範囲、さらには安全面での内輪差・死角対策なども考慮しなければなりません。

こうした問題を踏まえながら、自社に適した4トントラックを選ぶ方法を詳しく見ていきます。

4トントラックの規定と必要な免許

4トントラックは中型トラックに該当し、車両総重量や最大積載量の要件を踏まえた免許が必要となります。

現在の免許制度は平成19年と平成29年に大きく改正されており、取得時期によって運転できる総重量の上限が異なる点に注意してください。

【~平成19年6月1日までに取得した場合】

以下の要件を満たしたトラックであれば、普通免許で運転可能です。つまり、この時期に免許を取得していれば、普通免許で4トントラックの運転もできます。

  • 車両総重量8トン未満
  • 最大積載量5トン未満
  • 乗車定員10人以下

免許証の種類欄には「中型」、条件欄には「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されています。

【平成19年6月2日~平成29年3月11日までに取得した場合】

この期間に取得した新型普通免許で運転できるトラックの条件は、以下のとおりです。

  • 車両総重量5トン未満
  • 最大積載量3トン未満
  • 乗車定員10人以下

最大積載量が3トン未満に制限されるため、新型普通免許では4トントラックは運転できず、中型免許が必要となります。当時の免許制度は普通免許と大型免許の2種類でしたが、改正によって中型免許が追加されました。

【平成29年3月12日以降に取得した場合】

普通免許で運転できるトラックの条件は以下のとおりです。

  • 車両総重量5トン未満
  • 最大積載量2トン未満
  • 乗車定員10人以下

したがって、これを超える4トントラックなどを運転するには、準中型免許か中型免許が必要です。

また、事業用として4トントラックを運用する際は、緑ナンバーの取得や運送事業許可が求められます。

大きな車両を扱うため、内輪差や車両感覚に十分注意し、日常点検を含めた安全管理を徹底しなければなりません。

それぞれの条件を満たした上で、業務内容や運送形態に適した免許を取得することが大切です。

運転のしやすさ

4トントラックは中型とはいえ、普通乗用車と比べると全長や高さ、車両総重量が大きくなります。

そのため、左折や右折時には内輪差が生じやすく、カーブや交差点でのハンドル操作には注意しなければなりません。

また、車両後方の死角が広くなりがちなため、バックモニターやサイドミラーの位置を定期的にチェックすると安全性が高まります。

さらに、架装によって乗り心地や取り回しが変わることがあります。

ロングボディやスーパーロングボディは荷台が長くるため、狭い道路での運転に苦労するかもしれません。

ウイングなどの高さがあるボディの場合、立体駐車場や高さ制限のある施設への侵入が難しくなることもあります。

クレーン付きや、パワーゲート付きのトラックは、重心や車両重量が変化しやすいため、積載時には重心のバランスを考慮してください。

なお、車体が比較的コンパクトなモデルもあり、街中での配達をメインに行う場合にはそうした車種を選ぶ手もあります。

4トントラックの購入ガイド

4トントラックを実際に導入する際には、新車か中古車かで予算や納期、走行距離の状況が大きく変わります。ボディサイズや架装の種類、メンテナンス性などにも注目しながら、自社の業務に最適な1台を選ぶことが大切です。

ここでは、4トントラックの価格相場について詳しく見ていきます。

4トントラックの価格相場

4トントラックの新車価格は、メーカーやモデル、ボディタイプによって異なりますが、平ボディのスタンダードな仕様であれば約800万~1,200万円程度が一般的です。

ウイングや冷蔵・冷凍車、パッカー、ダンプ、クレーン付きなど特殊装備を加えると、さらに数百万円ほど上乗せされ、2,000万円近くになる場合もあります。

新車を選択するメリットとしては、初期不良が少なく保証制度がしっかりしている点や、自社の業務内容に合わせて自由に架装をオーダーできる点などが挙げられます。

一方で、中古車は車両の年式や走行距離、状態によって価格が大きく異なりますが、大幅にコストを抑えられる場合が多く、車検や整備記録がしっかり残っている個体であれば、安心して使用できるでしょう。

年式、架装ごとの目安は以下のとおりです。

  • 年式5年以内のもの:500~900万円程度
  • 年式5年以上のもの:200~500万円程度
  • 冷蔵車・ウイング車など:500~1,200万円程度

整備履歴や使用状況よっても価格は左右されます。

過度な重荷を長期間積載してこなかった、あるいは定期的にオイル交換を実施していたような車両は、走行距離が多くても良好なコンディションを保っている場合があります。

中古車市場には選択肢が豊富にあるため、複数の販売店やオンラインサイトを比較しながら検討するとよいでしょう。

また、架装やワイドキャブ、スーパーロングボディなどの仕様も含めて、あらかじめ自社に必要な機能を整理しておくことが価格交渉のポイントです。

納車時期やアフターサービス、保証内容も考慮に入れ、総合的に判断してください。

4トントラックの維持費と経費計算

4トントラックは、導入後も燃料費や自動車保険、メンテナンス費用、税金など継続的にコストが発生します。

ここでは、そうした4トントラックの維持費や経費計算の考え方について解説します。

4トントラックの維持費

4トントラックの維持にかかる主な項目と金額の目安は、下表をご参照ください。

実際の費用は使用状況や整備内容、補償範囲などによって大きく変動します。また、営業用と自家用の違いでも金額に差が出るため、あくまでも参考程度にとどめましょう。

なお4トントラックの車検は、初回は2年ですが、その後は年1回です。

また、燃料費は走行距離によって左右されます。

4トントラックの平均燃費性能はリッターあたり約7.35kmといわれているため、「年間走行距離 ÷ 7.35 × 1リッターあたりの平均ガソリン価格」で、年間の燃料費を概算できます。

4トントラックの経費計算

4トントラックを導入する際は、購入して減価償却費を計上する方法と、リース契約を結ぶ方法のどちらを選ぶかで、経費の扱いが変わります。

どちらがよいかは事業規模や資金繰りの状況に左右されるため、それぞれの特徴を把握することが大切です。

【減価償却費を計上するケース】

トラックを購入した場合、取得費は固定資産として計上し、法定耐用年数に応じて毎期減価償却できます。

自社資産となるため将来的に売却や下取りがしやすい半面、車両購入時の初期コストは大きく、車検や修理費はすべて自社負担です。

【リース契約を結ぶケース】

リース会社がトラックを購入し、利用者は月々のリース料を支払う形態です。リース料は経費として計上できるため、初期投資を抑えたい事業者には向いています。

契約内容次第では保守・点検サービスが含まれ、突発的な整備費用リスクも軽減できるかもしれません。

ただし、リース期間中に途中解約が難しいことや、総支払額が購入より割高になる可能性がある点には注意が必要です。

このように、減価償却を行いながら自社保有するか、リースで資金負担を平準化するかは、事業方針や財務状況に左右されます。

税制上の扱いも異なるため、導入前に専門家へ相談し、最適な方法を選ぶことをおすすめします。

トラックの運用方法(リースバックとは)

トラックの購入資金に課題を抱える中小企業や個人事業主の方に注目されているのが「リースバック」という仕組みです。

リースバックでは、すでに所有しているトラックをリース会社へ一度売却し、同じ車両をリース契約で利用し続けることができます。

これにより、売却時にまとまった資金を手元に確保しつつ、業務用の車両を手放さずに事業を継続できる点がメリットです。

この方法は、外部環境の変化や急な資金ニーズに対応しやすくなるメリットがあります。

例えば、4トントラックを複数台所有している運送会社がリースバックによって手にした資金を活用し、新たに車種を追加導入することで受注拡大を図る方法があります。

リースバックを利用すると月々のリース料が発生しますが、経費計上がしやすい点や定期的なメンテナンス契約をセットにできるケースもメリットです。

ただし、契約条件や買取価格、リース料率はリース会社によって異なりますので、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。

自社名義のトラックを有効活用して経営を安定させたい方は、リースバックも一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

4トントラックは、最大積載量や取り回しのしやすさ、そして中古車市場の豊富さなど、さまざまな面で中小企業の事業者にとって魅力的な車両です。

平ボディやウイング、冷凍車といった多彩なボディタイプに加え、維持費や経費計上方法も踏まえながら、自社のニーズに合った取得方法を選びましょう。

さらに、資金調達の一つの手段としてリースバックを活用すれば、外部環境の変化にも柔軟に対応できます。

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