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トラックの燃料費高騰対策|運送業の経営を守る燃費改善と法的知識

燃料費の高騰が続く中、運送会社の経営者や運行管理者にとって、燃料コストの削減は喫緊の課題となっています。トラックの燃料である軽油の価格は、ガソリンよりも安価とはいえ、長距離運行や車両台数が多い事業者にとっては大きな負担です。

特に昨今の原油価格の上昇により、燃料費が運送コスト全体に占める割合は増加傾向にあり、収益を圧迫する深刻な要因となっています。本記事では、燃費計算の方法や現場でできる燃費向上策など、運送業の経営に役立つ情報を解説します。

燃費を把握する!燃費計算とコスト管理術

燃費の正確な把握は、コスト削減の第一歩です。現状を数値で把握することで、改善すべきポイントが明確になり、具体的な対策を講じることができます。

満タン法による正確な燃費計算のやり方

燃費計算の基本は「満タン法」と呼ばれる方法です。給油時に燃料タンクを満タンにし、次回の給油までに走行した距離を給油量で割ることで、実際の燃費を算出できます。

具体的には、「走行距離÷給油量=燃費(km/L)」で計算をします。例えば500km走行して60L給油した場合、燃費は8.33km/Lです。

この方法は簡単かつ正確であり、特別な機器を必要としません。

燃費計算を習慣化することで、車両ごとの燃費傾向を把握でき、異常な燃費悪化にも早期に気づくことができるでしょう。スマホアプリを活用すれば、給油時に給油量と走行距離を入力するだけで、データが蓄積され平均化された実燃費が把握できるようになります。

また、燃料計で残量をこまめに確認し、適切なタイミングで給油を行うことも、正確な燃費管理につながります。

トラックの燃費が悪くなる主な原因とチェック項目

燃費低下にはさまざまな要因があり、定期的な点検が欠かせません。

タイヤの空気圧管理は特に重要なポイントです。規定値を下回ると路面との接触範囲が広がり、転がる際の抵抗が増して燃料消費が多くなってしまいます。月に一度は必ずチェックし、適正値を保つようにしましょう。

エンジン周りのメンテナンスも欠かせません。エアクリーナーが詰まると十分な空気を取り込めなくなり、パワーと燃費の両方が落ちてしまいます。さらに、オイル交換を怠るとエンジン内部にダメージを与えかねないため、定期的な部品交換と清掃が必要です。

日々の運転スタイルも大きく関わってきます。アクセルを急に踏み込む操作や、停車中にエンジンをかけっぱなしにすることは無駄な燃料を消費します。アイドリング時には1時間あたり0.5〜1.8リットル程度の燃料を消費するため、こまめにエンジンを切る癖をつけることで節約につながります。

燃料カード(ガソリンカード)によるデータの一括管理

燃料カードを導入することで、給油データの自動記録と一括管理が可能です。燃料カードは、車両ごと・ドライバーごとの給油履歴を詳細に記録できるため、不正給油の防止や燃費分析に役立ちます。

給油データをオンラインで確認できるため、事務所にいながら全車両の燃料消費状況を把握することができます。車両ごとの給油日時、場所、油種、数量、代金などの利用明細をWeb上で閲覧でき、CSVデータとしてダウンロードすることも可能です。

複数車両のデータを一元管理できるため、車両間の燃費比較や、給油パターンの分析が容易になります。蓄積されたデータを活用することで、燃費改善施策の効果測定や、車両ごとの運用状況の見える化にもつながるでしょう。

現場でできる燃費向上とコスト削減策

燃費向上のためには、高額な投資をしなくても実践できる施策が数多く存在します。現場レベルでの取り組みを徹底することで、着実なコスト削減効果が期待できます。

エコドライブの徹底(急発進・急ブレーキの抑制)

エコドライブは燃費向上の基本であり、ドライバー教育によって確実な効果が得られる項目です。急発進を避け、ゆっくりとアクセルを踏み込むことで、燃料消費を抑えることができます。同様に、急ブレーキではなく早めのアクセルオフとエンジンブレーキの活用により、燃料の無駄を削減できます。

定速走行を心がけることも重要で、高速道路では一定速度を保つことで燃費が向上します。車間距離を十分に取り、前方の交通状況を早めに把握すれば、無駄な加減速を減らすこともできるでしょう。

ドライバーにエコドライブの重要性を理解させ、実践を促すための教育プログラムや評価制度の導入も効果的です。

アイドリングストップがもたらす燃料削減効果

アイドリング時の燃料消費は想像以上に大きく、トラックの場合、10分間のアイドリングで小型トラックは約0.08〜0.12リットル、中型トラックは約0.13〜0.17リットル、大型トラックは約0.22〜0.30リットルの燃料を消費します。荷待ち時間や休憩時にエンジンを停止する習慣をつけることで、年間を通じて大きな燃料削減効果が得られます。

ただし、夏場や冬場のエアコン使用時には、ドライバーの体調管理との兼ね合いも考慮する必要があるでしょう。適切な休憩場所の確保や、アイドリングストップ時の代替手段(ポータブル扇風機や毛布など)を用意することで、ドライバーの快適性を保ちながら燃料削減を実現できます。

燃費維持に欠かせないメンテナンス(燃料フィルター等)

定期的なメンテナンスは燃費維持の要です。燃料フィルターは、燃料中の不純物を除去する重要な部品であり、目詰まりすると燃料の供給が不十分になり、エンジン性能が低下する可能性があります。メーカー推奨の交換時期を守り、定期的な交換を心がけてください。

エアクリーナーの清掃・交換も燃費に影響を与え、汚れたエアクリーナーはエンジンへの空気供給を妨げ、燃費や出力を低下させます。エンジンオイルの定期交換も燃費維持には欠かせません。

また、適切な粘度のオイルを使用することが重要で、粘度が高すぎるとエンジン内部の抵抗が増加し、燃費が悪化する原因となります。これらのメンテナンスを確実に実施することで、車両性能を最良の状態に保ち、燃費の悪化を防ぐことができます。

知っておきたい燃料トラブルと回避策

燃料に関するトラブルは、運行の停止や高額な修理費用につながる可能性があります。事前に知識を持ち、適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

冬場の「軽油の凍結」を防ぐJIS規格の知識

軽油は低温環境下で凍結する性質があり、冬場の寒冷地では特に注意が必要です。JIS規格では、軽油を使用環境の気温に応じて複数の軽油種類に分類しており、特1号、1号、2号、3号、特3号の5種類が存在しています。

特1号軽油は+5℃以上、1号軽油は-2.5℃以上、2号軽油は-7.5℃以上、3号軽油は-20℃以上、特3号軽油は-30℃以上の環境で使用するよう定められており、地域や季節に応じて適切な種類を選択することが求められます。

寒冷地へ運行する際には、目的地の気温に適した軽油種類を給油しなければなりません。温暖地仕様の軽油のまま寒冷地を走行すると、燃料凍結が発生してエンジンが停止し、運行不能となる危険性があります。

燃料凍結は配送遅延や事故のリスクにもつながるため、季節の変わり目や寒冷地への移動時には、給油所で軽油種類を確認し、適切なグレードを選択することが重要です。万が一、燃料凍結が発生した場合には、自然解凍を待つか、温かい場所への移動が必要となり、業務に大きな支障をきたすことになります。

タンク内の「結露」と「水分混入」によるエンジン故障

燃料タンク内に水分が混入すると、エンジントラブルの原因となります。タンク内の空気が温度変化により結露し、水滴が発生することがあり、この水分が燃料に混ざると、燃料噴射ポンプの故障や錆の発生につながります。

水分混入を防ぐためには、燃料タンクをできるだけ満タンに保つことが有効です。タンク内の空気が少なければ、結露による水分発生も抑えられるでしょう。また、定期的に燃料フィルター(ウォーターセパレーター)の水抜きを行い、蓄積した水分を排出することも重要な対策となります。燃料水分離器(ウォーターセパレーター)の定期点検と清掃も忘れずに実施し、燃料系統への水分侵入を防ぐことが燃料漏れやエンジン故障の予防につながります。

燃料高騰に負けない運送経営を(ロジの視点)

燃料価格の高騰は運送業の経営を圧迫する大きな要因です。

燃費改善の努力だけでなく、適正運賃の確保による収益改善や、資金繰りを支える財務面での対策も重要となります。

PMG Logisticsでは、物流業界に特化した財務サポートとして、資金繰り安定化のアドバイスや車両リースバックによる資金確保など、運送事業者の経営安定化を総合的に支援しています。

燃料サーチャージの導入と荷主への価格交渉

燃料費の変動を運賃に反映させる燃料サーチャージ制度の導入は、経営安定化の重要な手段となります。燃料価格が基準値を超えた場合に、その差額を運賃に上乗せする仕組みであり、燃料コストの増加を適切に荷主に転嫁することができます。

価格交渉を行う際には、燃料消費量の実績データや市場価格の推移を示し、客観的な根拠に基づいて説明することが重要です。荷主との信頼関係を維持しながら、適正な運賃水準を確保するための粘り強い交渉が求められます。燃費改善の努力と併せて、適正運賃の獲得に取り組むことで、持続可能な経営基盤を構築できるでしょう。

資金繰りが厳しい時の「車両リースバック」活用

燃料費の高騰により資金繰りが厳しくなった場合、保有するトラックを売却して現金化し、そのまま同じ車両をリースで使い続ける「車両リースバック」という選択肢があります。この方法により、手元資金を確保しながら、運行に必要な車両は引き続き使用できるため、事業を継続しながら財務体質を改善することが可能です。

PMG Logisticsでは、運送業に特化した車両リースバックサービスを提供しており、グループ会社のPMG PartnersやPMGと連携した総合的な財務支援も行っています。燃料費高騰による経営課題でお悩みの際は、専門家への相談も視野に入れながら、最適な解決策を見つけることをお勧めします。

まとめ

トラックの燃料管理は、運送業の経営において極めて重要な要素です。

燃費向上のためには、エコドライブの徹底や定期的なメンテナンス、適切な燃料管理など、日々の積み重ねが重要となります。燃料フィルターやエアクリーナーの定期交換、エンジンオイルの適切な管理により、車両性能を最良の状態に保つことができます。

また、冬場の軽油凍結対策として地域や季節に応じた適切な軽油種類の選択や、燃料タンク内の結露・水分混入を防ぐための満タン給油とウォーターセパレーターの定期点検も欠かせません。

燃料費の高騰が続く厳しい経営環境においては、燃費改善の努力に加えて、燃料サーチャージの導入や適正運賃の確保など、経営全体を見据えた対策が重要になります。燃料コストの増加が経営を圧迫し資金繰りに影響している場合は、物流業界に特化した財務支援の活用も有効です。

PMG Logisticsでは、車両リースバックによる資金確保や燃料サーチャージ導入のアドバイス、グループ連携による総合的な経営サポートなど、運送事業者の経営課題に寄り添った支援を提供しています。燃料費対策を含む経営面でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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