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「車幅」で変わる運送業務!コスト削減と安全性に貢献するトラック選の選び方を徹底解説

物流の現場において、トラックの「幅」は、日々の運行ルートから積載効率、さらには法的な車両区分にまで影響を及ぼす、極めて重要な要素といえます。

この記事では、トラックの幅に関する基本的な知識から、正確な測定方法、そしてそれが物流業務にどのように影響するのかを詳しく解説します。さらに、主要なトラックの車種ごとの幅と寸法を比較し、貴社のビジネスに最適なトラックを見つけるためのポイントを深掘りします。

運行の安全性向上、コスト削減、そして業務の効率化を実現するために、トラックの「幅」を正しく理解し、賢い車両選定を行いましょう。

トラックの幅とは

トラックの「幅」は、単に車両のサイズを示すだけでなく、運行ルートの選定、積載効率、さらには法的な区分にまで影響を及ぼす重要な要素です。このセクションでは、トラックの幅に関する基本知識から、その正確な測定方法、そして業務への影響について解説します。

トラック幅の基本知識

トラックの幅とは、車両の車体でもっとも外側にある部分同士の直線距離を示す数値です。これはサイドミラーを含まない数値で、道路運送車両法による幅の最大値は以下のように定められています。

・軽トラック:1.48m以内
・小型トラック:1.7m以内
・中型・大型トラック:2.5m以内

しかし、積載する荷物の種類や用途に応じて、これらの標準幅に収まらない特殊な車両も存在します。例えば、冷凍車やウイング車などでは、断熱材や開閉装置の関係で車体幅が広くなるケースがあります。

例えば、小型トラックのシャシーや積載量であっても、特殊な架装(荷台部分の改造や装備)によって車体の最大幅が1.7mを超えれば、道路運送車両法上は中型トラックとして扱われる可能性があるということです。

トラックを導入する際には、車種の名称だけでなく、架装後の実際の寸法、特に幅がどの区分に該当するかを確認しましょう。

測定方法と基準点

車幅は、自動車のもっとも側方にある部分を基準面(水平かつ平坦な面)に投影し、車両中心線に直交する直線に平行な方向の距離を測定することで算出します。

この際、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示によって除外が明記されている部品は、測定範囲に含めません。具体的には、回転するタイヤ、ディスクホイールおよびこれに付随して回転する部分、そして方向指示器のうち自動車の両側面に備えるものが除外されます。
また、車体外に取り付けられた後写鏡、後方等確認装置、周辺監視装置、たわみ式アンテナも測定時に取り外すか、計測範囲に含まれません。

したがって、フェンダーや車体本体など、法令で除外が明記された部分を除くもっとも側方の部分の幅が車幅として測定されます。この正確な測定方法により、車両が通行できる道路の幅や、駐車スペースの大きさを判断する基準となります。

幅が業務に与える影響

トラックの幅は、日々の運行業務に多大な影響を与えます。

まず挙げられるのは、運行ルートへの影響です。特に、都市部の住宅地の狭い道路では、法定上限値である幅2.5mの中・大型トラックは通行困難な場所が多数存在します。このような場所への配送では、小型トラックへ積み替えたり、配送ルートを大幅に変更したりしなければならないケースも出てくるでしょう。

次に、通行可能道路の制限も重要です。例えば、古い商店街などでは、特定の時間帯にのみ幅制限が設けられていることがあります。これにより、配送時間が限定され、効率的な運送が妨げられる可能性があります。また、山間部や農道では、道幅が狭く、幅広車両では通行不可能な場合もあるでしょう。

これらの地域への配送が多い運送業者様は、事前にルート調査を行い、適切な幅の車両を選定することが不可欠です。

さらに、トラックの幅は、荷物の積載効率にも関わってきます。幅広の荷台を持つ車両であれば、一度に積載できる荷物の量が増え、運行回数を減らすことが可能です。これにより、燃料費や人件費の削減につながり、結果として運送コストの低減に貢献します。

しかし、狭い道を通る場合は、小回りの利く小型の車両を選択する必要が出てきます。このように、トラックの幅は、運行ルートの選定からコスト効率、さらにはドライバーの運転のしやすさにまで影響を及ぼすため、車両選定においては慎重な検討が求められるのです。

主要トラックの幅と寸法早見表

トラックの選定では、車幅をはじめとした寸法を把握しておくことがとても大切です。ここでは、軽トラックから大型トラックまで、主要なトラックの車種別に、一般的な車幅や全長、全高などの寸法をご紹介します。貴社の運送業務に最適な車両を見つけるための参考にしてください。

車種 全幅 全長 全高
軽トラック 1.48m以内 3.4m以内 2.0m以内
小型トラック 約1.7~2.1m 4.7m以下(ショートタイプの場合) 1.7m前後
中型トラック 約2.2~2.3m 約8.0~9.0m 約2.5~3m
大型トラック 約2.5m前後 約9.0~12.0m 約3.5~3.8m

小型トラックの幅と寸法

小型トラックは、主に軽トラックから2tクラスの車両を指します。これらのトラックは、そのコンパクトな車体から、狭い路地や住宅街での配送に適しています。

軽トラックの車幅は、軽自動車規格により全幅1.48m以内と定められています。これは、全長3.4m、全高2.0mという軽自動車規格の車体寸法を超えることができないためです。最大積載量は350kgと定められており、少量の荷物や軽い資材の運搬に利用されます。狭い道での小回りが利き、燃費もよいため、近距離配送や個人事業主の方に人気があります。

小型トラック、いわゆる2tトラックは、車両総重量5トン未満、最大積載量2.0~2.9トンの車両を指します。その車幅は、標準的なもので約1.7mから2.1mです。
ショートタイプの場合、全長4.7m以下、全幅はおおよそ1.7m前後が一般的です。全体の寸法としては、荷台の長さが3.1m程度、幅が1.6~2.1m程度。全高は2.0mから2.2m程度が相場です。

車種や架装によって異なりますが、例えば三菱ふそうのキャンターなどがこのクラスに該当します。コンビニエンスストアやスーパーへの配送、引っ越し便など、比較的都市部での配送業務に多く利用されるサイズです。中には、ロングボディのタイプもあり、通常よりも長い荷台を持つことで、積載能力を向上させています。

中型トラックの幅と寸法

中型トラックは、主に4tトラックが代表的です。これらの車両は、小型トラックよりも大きな積載能力を持ちながら、大型トラックよりも取り回しがしやすいという特性があります。4tトラックとは、最大積載量5トン未満・車両総重量8トン未満のトラックを指します。

4tトラックの車幅は、法定上限値は2.5mですが、標準的なもので約2.2mから2.3mです。全長は8.0mから9.0m程度、全高は2.5mから3.0m程度と車種によって幅があります。一般的な物流業務において幅広く利用されているサイズで、代表的な車種は、いすゞのフォワードです。

また、ロングボディの4tトラックも存在し、こちらは全長がさらに長くなります。これにより、かさばる荷物や一度に多くの荷物を運ぶことが可能になります。
中型トラックは、長距離輸送から地域配送まで、さまざまな用途に対応できる汎用性の高さが魅力です。ウイング車や平ボディ、冷凍車など、さまざまな荷台タイプがあり、積載する荷物の種類や輸送条件に合わせて選ぶことができます。中型自動車免許で運転できる点も、多くのドライバーにとってメリットとなります。

大型トラックの幅と寸法

大型トラックは、法的には車両総重量11t以上・最大積載量6.5t以上と定義されており、10tトラック、13tトラックなど、長距離輸送や大量輸送に特化して、物流の幹線を支える重要な役割を担います。

大型トラックの全幅は、一般的に2.5m前後です。全長は9.0mから12.0m程度、全高は3.5mから3.8m程度が一般的です。最大積載量は6,500kg以上で、一度に大量の荷物を積載できます。三菱ふそうのスーパーグレートなどがこのクラスの代表的な車種です。13t車についても同様に、その積載能力は車両によってさまざまです。

大型トラックには、ウイング車や冷凍車など、特殊なサイズを持つものも存在します。ウイング車は、荷台側面が鳥の翼のように開閉する構造で、効率的な積み降ろしが可能です。冷凍車は、精密な温度管理が必要な荷物(食品、医薬品など)の輸送に用いられます。
これらの特殊車両は、通常のトラックよりもわずかに車体幅や全高が大きくなる傾向があります。

また、大型トラックにはpower gate(パワーゲート)やクレーンが装備された車両もあります。power gateは荷物の積み降ろしを補助する装置であり、クレーンは重量物の積み降ろしに利用されます。これらの装備は、車両の重量や全長に影響を与えることがありますが、その分、作業効率を大幅に向上させることが可能です。大型トラックは、その積載能力の高さから、物流コストの削減に貢献しますが、その大きな車体ゆえに、通行可能な道路や施設の制限を事前に確認しておくことが非常に重要になります。

トラックの幅と荷台の高さの関係性

トラックの荷台の高さは、積載する荷物の種類や積み降ろしの方法に大きく影響します。特に、トラックの幅と密接に関連しており、適切な選択が業務効率を向上させる鍵となります。荷台の高さは、低床車、高床車、全低床といった分類があり、それぞれに異なる特徴とメリットがあります。
ここからは、具体的な荷台の高さの目安と、それぞれのタイプがどのような業務に適しているのかを詳しく解説します。

荷台の高さ(床面地上高)の目安

低床車は、その名のとおり荷台の床面が地面に近い位置にあるトラックです。床面が低いため、手作業での積み降ろしが容易であり、特に人の手で積める荷物が多い場合にそのメリットを発揮します。また、重心が低くなるため、走行安定性も向上し、カーブなどでのふらつきを抑えることができます。

一方、高床車は、荷台の床面が地面から高い位置にあるトラックです。高床車は、フォークリフトやクレーンなどの荷役機械を使用する際に利便性が高くなります。また、タイヤの直径が大きい分、悪路走破性に優れており、未舗装の道路や段差の多い場所での運転に適しています。

低床車・高床車の使い分けは、運搬する荷物の種類、積み降ろしの方法、そして運行ルートの状況によって慎重に検討する必要があります。例えば、飲料や米などの重い荷物を手積み手降ろしする場合や、台車やハンドリフトを使う場合は低床車が適しています。
逆に、パレット積みの荷物をフォークリフトで積み込む場合や、悪路を走行する場合は高床車が有利となるでしょう。

なお、トラックの荷台には、低床車と高床車の中間に位置する「全低床」という分類も存在します。これは低床よりも高く、高床よりも低い位置に荷台が設定されており、さまざまな状況に対応できる汎用性を持っています。トラックの車幅と併せて、荷台の高さも業務内容に最適な車両を選ぶ上での重要な判断基準です。

 低床車がおすすめのケース

重い荷物を手作業で積み降ろしする際、低床車は床面が低いため、作業者の身体的な負担が少なく、荷物の持ち上げや下ろしが容易です。例えば、飲料や米、肥料、工具など、手積み手降ろしが多い業種では低床車が非常に有効でしょう。
また、積載回数が多く、短距離配送が中心の業務であれば、頻繁な積み降ろし作業の効率化につながり、結果として作業時間の短縮やドライバーの疲労軽減に貢献します。最大積載量を積んでいても、安定した運転が可能です。

荷役機器(台車・ハンドリフトなど)を使う場合も、低床車は床面が地面に近いため、段差が少なくスムーズに荷物を積み込むことができます。台車やハンドリフトを使用してパレット単位で荷物を運ぶ際、高床車ではリフトアップが必要になることがありますが、低床車であればそのまま荷台に押し込むことが可能です。
スーパーやコンビニへの商品納品、倉庫間のシャトル配送など、頻繁に荷役機器を使用する場面でその利便性を実感できるでしょう。荷台へのアクセスがしやすいため、効率的な作業が実現します。

さらに、天井の低い場所や狭い場所での配送にも低床車は適しています。低床車は車高が低く設計されているため、天井の低い地下駐車場や立体駐車場、都市部の細い路地など、高さ制限や幅制限のある場所での配送に強みを発揮します。
例えば、地下駐車場での納品や、都市部の商業施設への配送では、車高の高い高床車では進入できないケースが多く、低床車が不可欠となることがあります。小回りが利く小型トラックの低床車であれば、さらに狭い場所での取り回しも容易でしょう。

高床車がおすすめなケース

高床車は、その荷台の高さから、特定の積載方法や走行環境において大きなメリットを発揮します。

フォークリフトでパレット積みをする際、高床車の荷台の高さは、一般的な物流施設での積載作業において、パレットの積み降ろしを行いやすい場合があります。フォークリフトを走行させる際には、荷の底面の高さを地上から15~20cmに保つのが安全基準とされており、荷物がパレットに乗せられた状態で荷台へ並べていく作業が一般的です。

例えば、重量物や長尺物の搬送(鉄鋼、建材など)では、手積み手降ろしが困難なため、フォークリフトの利用が必須となります。この際、荷台とフォークリフトによる作業がスムーズに行われることで、効率的な作業が期待できるでしょう。最大積載量の荷物でも、安全かつ迅速に積載できます。

路面が悪い、段差の多いエリアで使う場合も、高床車は有効です。高床車は、荷台の床面地上高が高く設計されています。これにより、未舗装道路や、大きな段差がある場所でも、車体の底をこする心配が少なく、安心して運転できます。
山間部や農道での配送、建設現場への資材運搬など、悪路を走行する機会が多い業務では、高床車が優れた走破性を発揮します。クレーンを装備した車両なども、高床車であることが多いです。

このように、高床車は、フォークリフトによる効率的な荷役作業や、悪路での安定した走行を重視する業務において、非常に有効な選択肢となります。運搬する荷物の特性や配送ルートの状況を考慮し、最適な車種を選ぶことが重要ですし、ドライバーは中型自動車免許など適切な免許で運転することが大切です。

「幅」から考える最適なトラック選定とは?

トラックの選定において、単に積載量や全長だけでなく、「幅」を考慮することは、業務の効率性や安全性、さらにはコスト削減に直結する重要な要素です。ここでは、トラックの幅を基準とした最適な車両選定のポイントを解説いたします。

搬入路・施設制限に合わせた幅の選び方

トラックの車幅を選ぶ際には、まず配送先の搬入路や施設の制限を考慮することが不可欠です。

例えば、工場や倉庫の搬入口の幅や天井高は、トラックが安全に進入できるかどうかの重要な判断基準です。特に、古い施設や増築を繰り返した施設では、搬入口が狭く、大型トラックでは進入できないケースが散見されます。このような場合、事前に施設の管理者と連絡を取り、搬入口の寸法を確認しておくことが重要です。

また、都市部における一方通行や狭小道路も考慮しなければなりません。これらの道路では、トラックの車幅が大きいと、ほかの車両とのすれ違いが困難になったり、曲がり角で切り返しが必要になったりと、運転に時間を要するだけでなく、接触事故のリスクも高まります。
さらに、配送先の駐車スペースの幅も確認が必要です。十分なスペースがない場合、荷物の積み降ろしに支障をきたすだけでなく、近隣住民への迷惑となる可能性もあります。

加えて、車両制限のある市街地や商業施設、あるいは地下駐車場などへの配送が多い場合も注意が必要です。これらの場所では、特定のトラックの車幅に関する制限が設けられていることがあります。制限を無視して運転すると、罰金や交通違反の対象となるだけでなく、事故のリスクも増大します。

したがって、トラックを選定する際には、主な運行ルートや配送先の施設を事前に調査し、それらの制約条件を満たす最適な車幅の車両を選ぶことが非常に重要です。たとえ最大積載量を確保したくても、幅が大きすぎて配送できないという事態は避けたいものです。

運転のしやすさと積載効率のバランス

トラックの車幅を選ぶ際には、運転のしやすさと積載効率のバランスを考慮することが重要です。この2つの要素は、しばしばトレードオフの関係にあります。

運転のしやすさという点では、車幅が狭いトラックのほうが小回りが利き、狭い道や混雑した市街地での取り回しが容易になります。特に、小回り性能やUターン可能半径は、ドライバーの運転ストレス軽減に直結します。
例えば、軽トラックや小型トラックは、そのコンパクトな車体から、住宅街の細い道や狭い駐車場でのバック駐車のしやすさにおいて優れています。いすゞのフォワードなどの中型トラックにも比較的幅の狭い車種があります。また、三菱ふそうのキャンターのような小型トラックは、さらにコンパクトな車体で、優れた取り回し性能を発揮します。

一方で、積載効率を考えると、幅広の荷台を持つトラックのほうが有利です。幅広荷台で1回あたりの積載量が増えることで、運行回数を減らし、燃料費や人件費などの運送コストを削減できます。
特に、パレット積みの荷物や、形状が決まっている荷物を大量に運ぶ場合は、パレットや荷姿に適した寸法の荷台を選ぶことで、デッドスペースを減らし、最大限の積載効率を発揮できます。例えば、スーパーグレートのような10tトラックは、圧倒的な積載能力を誇ります。

最適なトラック選定のためには、まず貴社の主な業務内容を明確にすることが肝心です。頻繁に狭い道を通る必要があるのか、それとも長距離で大量の荷物を運ぶことが多いのかによって、適切なトラックの車幅は異なります。
ドライバーの運転負担を考慮しつつ、効率的な物流を実現するためには、これらの要素を総合的に判断し、最適なバランスの車両を選ぶことが重要です。積める荷物の量だけでなく、どこを運転するか、どのような環境で運転するかを考慮しましょう。

まとめ

物流業界に携わる皆様にとって、トラックの「車幅」は、単なる寸法にとどまらない重要な要素です。車両の幅は、道路運送車両法で定められた基準から、積載効率、運行ルートの選定、さらにはドライバーの運転のしやすさにまで密接に関わります。
軽トラックから大型トラックまで、車種ごとの幅や荷台の高さ(低床車・高床車)を理解し、貴社の荷物の種類や配送環境に最適な車両を選定することが、物流コスト削減と業務効率向上を実現します。業務で最大限の利益を上げるために、最適なサイズのトラックを選びましょう。

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