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【運送業向け】8トントラック導入ガイド|免許・費用・選び方と運用のコツ

「8トントラックのサイズや積載量は?」「費用はどれくらい?」「必要な免許は?」といった疑問はありませんか?

8トントラックは、最大積載量や車両寸法がメーカーや車種によって異なり、中型と大型の“いいとこ取り”ができるトラックです。コストを抑えつつ積載量を増やしたい方にも人気で、導入時には新車・中古車の価格や維持費、適切な荷台タイプ選びもポイントとなります。

この記事では、8トントラックの基本知識、他トラックとの違い、選び方や導入コスト、必要な免許や維持管理のコツまで解説します。8トントラックの導入や運用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

8トントラックの基本知識

8トントラックは、中型から大型の中間に位置し、物流や建設業など幅広い業種で活躍しています。積載量や車両総重量、荷台の種類によって使い勝手が大きく異なるため、導入時には仕様や法的条件の理解が欠かせません。ここでは、8トントラックのサイズや特徴、最大積載量、車両総重量について詳しく解説します。

8トントラックのサイズと特徴

8トントラックは、中型トラックと同程度の車体サイズを持ちながら、大型トラックに匹敵する積載能力を備えた「増トントラック」に分類されます。「8トントラック」とは、最大積載量がおよそ8トンの車両を指し、車両総重量は13〜15トン前後が一般的です。そのため、「8t限定免許」や「中型免許」では運転できず、大型免許が必要となります。

代表的な車種には、日野の「レンジャー」、いすゞの「フォワード」、三菱ふそうの「ファイター」、UDトラックスの「コンドル」などがあり、それぞれ寸法や積載能力に多少の違いがあります。おおよそ最大積載量は7.6〜8.5トン、車両総重量は13.3〜14.9トンの範囲に収まる仕様です。荷台の長さは6メートル前後で、貨物の種類に応じて平ボディ、ウイング車、冷凍車など多様な形状が選ばれています。

この8トントラックは、大型トラックと同等の積載が可能でありながら、維持費を比較的抑えられるのが利点です。コストパフォーマンスを重視する物流現場において、非常に高い人気を誇っています。

8トントラックの最大積載量と車両総重量の求め方

最大積載量とは、トラックが安全に積載できる貨物の最大の重さを指します。一方で、車両総重量は、車両本体の重さ(車両重量)、乗員の重さ(乗車定員×55kg)、そして最大積載量の合計を指します。

これらの数値は、道路交通法によって厳しく定められており、過積載は重大な違反となるため注意が必要です。最大積載量は、車両の登録時に決定され、車検証に記載されています。

車両総重量は、以下の計算式で求められます。

車両総重量 = 車両重量 + (乗車定員 × 55kg) + 最大積載量

例えば、車両重量が4トン、乗車定員2名、最大積載量が8トンのトントラックの場合、車両総重量は4トン + (2名 × 55kg) + 8トン = 12.11トンとなります。

特に、ダンプや冷凍冷蔵車などの特殊な荷台を持つ車両では、架装部分の重量も考慮に入れる必要があります。常に適切な積載量を守ることは、安全な運転と効率的な物流につながります。

8トントラックと他のトラックとの違い

8トントラックは、見た目が4トントラックと似ていますが、積載量や必要な免許において大きな違いがあります。

4トントラックは最大積載量が約4トンで、車体が比較的小さく、都市部でも走行しやすいため、運送業や建設業、食品業界など幅広い分野で使用されています。2007年6月以前に普通免許を取得していれば運転可能ですが、それ以降に取得した場合は中型免許が必要です。

8トントラックは最大積載量が約8トンと倍近くあり、中型トラックや増トン車と呼ばれることもあります。ただし、中型免許では運転できず、大型免許が必要になる点には注意が必要です。

10トントラックは、最大積載量が約10トンの大型車両で、主に長距離輸送に使用されます。輸送効率が高く、大量の貨物を一度に運べるため、物流業界では欠かせない存在です。運転には大型免許が必須であり、ダンプカーやクレーン車など特殊機能を備えた車両を扱う場合は、さらに大型特殊免許が必要になります。

8トントラックを選ぶ際のポイント

8トントラックの導入は、運送業務の効率化に直結します。最適な1台を選ぶためには、自社の事業内容や輸送する貨物の種類を考慮し、さまざまな要素を比較検討することが欠かせません。

ここでは、荷台タイプごとの特徴や、積載量と車両総重量の関係、エンジン性能など、8トントラック選びで失敗しないためのポイントをご紹介します。

荷台タイプ別の特徴と選び方

8トントラックを選ぶ際は、運ぶ貨物の種類や作業環境に合わせて最適な荷台タイプを選ぶことが重要です。荷台には、平ボディ、ウイング型、バン型(箱型)、ダンプ型など、さまざまな種類があります。

たとえば、ウイング型は側面から効率よく貨物を積み下ろしできるため、物流現場で広く活用されます。一方、ダンプ型は土砂や廃材などを一度に排出できるため、建設業界で欠かせません。もし用途に合わない荷台を選んでしまうと、積載効率が落ちるだけでなく、無駄な運用コストがかかる可能性もあります。

また、車両総重量や最大積載量も荷台タイプによって異なるため、自社の目的に合った仕様を見極めた上で選びましょう。

平ボディ(平床)タイプ

平ボディタイプは、床面が平らで側面が開放された構造が特徴です。貨物の形状やサイズに柔軟に対応でき、フォークリフトによる積載や荷下ろしがしやすいため、建築資材やパレット積み、長尺物の運搬に適しています。8トントラックでも高い積載効率が得られるため、幅広い業種で活用されています。

また、荷台構造がシンプルなため、整備やメンテナンスが容易で、導入や維持にかかるコストを抑えたい事業者にもおすすめです。一方で、貨物がむき出しの状態になるため、雨天時の防水対策や盗難防止策を講じる必要があります。

ウイング型(ウイングボディ)

ウイング型(ウィングボディ)は、荷台の側面が上方向に大きく開閉する構造が特徴です。この仕組みにより、横からの積み下ろしが可能となり、フォークリフトを用いた作業効率が向上します。

特に、大量の貨物を短時間で扱う物流現場で重宝されており、8トントラックにも多く採用されています。荷台全体が箱型で覆われているため、風雨や盗難対策も万全です。

ただし、構造が複雑な分、導入費用や修理コストは平ボディに比べてやや高くなる傾向があります。

このタイプの荷台は、貨物の保護と迅速な荷役作業を両立したい場合に適しています。

バン型(箱型)

バン型(箱型)は、荷台全体が密閉された箱状になっているトラックです。この密閉された構造は、雨や風、砂塵など外部環境の影響から貨物を保護します。

また、防犯性にも優れており、高価な商品やデリケートな精密機器の輸送に向いています。荷台の内部空間は箱型であるため、貨物のサイズや形状に合わせて効率的に空間を利用できるのが特徴です。

一般的なバン型の他に、冷凍冷蔵車のように庫内を一定の温度に保つ機能を持つ特殊なバン型も存在し、生鮮食品や医薬品など温度管理が必須な貨物の輸送に利用されます。貨物の安全と品質保持を最優先する運送業務に適しています。

ダンプ型

ダンプ型は、荷台を傾けて貨物を自動的に下ろす構造が特徴で、作業効率に優れています。主に土砂や砕石、建設廃材といった重量物の運搬に用いられ、建設現場や解体業、産業廃棄物処理業などで欠かせない存在です。

8トントラックのダンプ仕様では、車両総重量や最大積載量に余裕があり、大量輸送が可能です。こうした用途に応じた積載ができる一方で、荷台の傾きや荷崩れに注意が必要であり、道路交通法に定められた積載制限を遵守しなければなりません。

さらに、走行中の揺れや転倒リスクを避けるためにも、運転には十分な技術と注意が必要です。

エンジン性能と燃費効率

8トントラックは、エンジン性能と燃費効率のバランスに優れた車両です。最大積載量が大きく、車両総重量も13〜15トン程度としっかりある一方で、エンジンは6〜8リットルクラスの中型ディーゼルエンジンが主流です。

そのため、10トントラックなどの大型車に比べて排気量が小さく、その分、燃費効率が約1〜2割ほど向上します。年間の燃料コストを抑えたい事業者にとって、大きなメリットといえるでしょう。

また、タイヤサイズも小さめで済むため、タイヤ交換や整備にかかる費用を低減できます。車両重量が軽いため、橋梁や高架下の重量制限道路でも走行しやすく、道路交通法への対応も柔軟です。

特に、三菱ふそうの「ファイター」やUDトラックスの「コンドル」、日野の「レンジャー」、いすゞの「フォワード」などの人気モデルは、燃費と出力の両立を意識した設計がなされています。運転コストを抑えつつ、積載力を確保したい企業には、実用性の高い選択肢となります。

車両寸法と積載量の関係

8トントラックを選ぶ際には、運送する貨物の特性と車両寸法の関係を理解することが非常に重要です。同じ8トントラックというカテゴリーであっても、荷台のサイズや形状によって、効率的に積載できる貨物が異なります。

例えば、重量のある資材や機器を主に運ぶ場合は、荷台の床面積が広く、重心が安定しやすい平ボディタイプが適しています。一方、衣料品や段ボール箱などの軽量だが嵩張る貨物を大量に運ぶ場合は、荷台の高さが確保されたウイング型やバン型が効率的です。これらのタイプは、内部空間を最大限に活用して積載量を増やせます。

最大積載量は車両総重量によって決まりますが、実際にどれだけの貨物を効率よく運べるかは、荷台の寸法と貨物のサイズが大きく影響します。そのため、導入前に輸送する貨物の種類と量、荷台の寸法を綿密に検討し、最適なトントラックを選ぶことが、運送業務の効率化とコスト削減につながります。

8トントラックの導入コスト

8トントラックの導入を検討する上で、初期費用だけでなく、その後の維持費まで含めたトータルコストの把握が重要です。新車と中古車の価格相場の違いや、燃料費、メンテナンス費用、保険料など、さまざまな要素が運用コストに影響を与えます。ここでは、8トントラックを導入する際に考慮すべき費用項目について詳しく解説します。

維持費と運用コスト

8トントラックを運用するうえで、維持費やランニングコストの把握は欠かせません。トラックは購入費だけでなく、継続的な費用が多くかかるためです。

まず、主な維持費としては、以下が挙げられます。

  • 自動車税や重量税
  • 自賠責保険
  • 任意保険
  • 定期的な整備費用
  • 燃料費
  • タイヤ交換費用

8トントラックは中型クラスのため、大型車である10トントラックと比べると、税金や車検費用を抑えられる傾向にあります。特に自動車税は最大積載量、自動車重量税は車両総重量によって決まるため、8トントラックの方が税負担が軽くなる場合が多いです。また、燃費効率が良い傾向にあるため、運行ルートや運転方法を工夫すれば、年間の燃料コストをさらに削減することも可能です。

さらに、稼働距離が長くなるとエンジンやブレーキなどの消耗が進むため、メンテナンスコストにも注意が必要です。定期点検を欠かさないようにしましょう。

8トントラックの運用と管理

8トントラックを安全かつ効率よく運用するためには、適切な管理が不可欠です。そのためには、運転に必要な免許や資格の取得、そして定期的な点検と整備が欠かせません。

道路交通法のルールや最大積載量を守った積載を理解し、実践することで、事故を防ぎ、トラックの寿命を延ばせます。適切な知識と管理で、8トントラックの性能を最大限に引き出しましょう。

必要な免許と資格

8トントラックの運転には基本的に大型免許が必要となります。

理由として、道路交通法が定める免許ごとの運転条件は以下の通りです。

  • 8t限定免許で運転できる車両:最大積載量5トン未満、車両総重量8トン未満
  • 中型自動車免許で運転できる車両:最大積載量6.5トン未満、車両総重量11トン未満

一方で、一般的な8トントラック(例えば三菱ふそうのファイターなど)の最大積載量は約8.5トン、車両総重量は約13.25トンとされています。この数値を見ると、8トントラックは8t限定免許や中型免許の規定をどちらも超えていることが分かります。そのため、「8トントラック」という名称でも、実際は「増トントラック」という大型トラックに近いカテゴリーに分類され、大型免許がなければ運転できません。

大型免許の取得には、21歳以上であること、そして普通免許、中型免許、大型特殊免許のいずれかを取得してから3年以上経過していることが条件です。教習所で必要な教習を受け、技能試験に合格することで取得できます。

また、ダンプや冷凍冷蔵車など、特殊な荷台を持つ8トントラックを運転する際は、特定の作業を行うための資格が必要になる場合があります。安全かつ適切に積載・運転を行うためにも、これらの免許や資格を事前に確認し、取得しておきましょう。

定期点検と整備のポイント

8トントラックを安全かつ長期間にわたって運用するためには、定期点検と整備が欠かせません。特に車両総重量や最大積載量が大きい大型車は、万が一の整備不良が重大事故につながるリスクが高いため、法令で定められた点検を確実に実施しましょう。

まず、事業用の8トントラックは3ヶ月ごとの定期点検(3ヶ月点検)が法律で義務付けられています。これは道路運送車両法に基づくもので、ブレーキやタイヤ、エンジン、電気装置など、事故の原因となりやすい部位を中心に点検します。点検の記録は保管し、監査時に提出できるようにしておくことが求められます。また、1年ごとの車検(継続検査)も必須です。

また日常点検として、運転前にはブレーキ、タイヤ・ホイール、エンジン、ヘッドライトやウィンカーなどの点灯確認を行いましょう。特にタイヤは荷台の積載量や走行距離に応じて摩耗や空気圧の変化が起こりやすいため、こまめなチェックが必要です。

さらに、夏や冬の季節の変わり目や走行距離の節目ごとに点検を行うことで、トラブルを未然に防げます。

まとめ

8トントラックは中型トラックの中でも特に実用性が高く、さまざまな運送業務に対応できる車両です。最大積載量や車両総重量を把握することで、過積載を避け、安全な運転が可能になります。また、荷台のタイプやエンジン性能、免許の要件などを正しく理解することも大切です。用途に合ったモデル選びと適切な運用・整備を行うことで、長期的なコスト削減と業務効率の向上を目指しましょう。

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