2025年最新トラック免許完全ガイド
「トラック免許を取りたいけれど、どの種類を選べばいいのか分からない」
「普通免許で運転できるトラックの範囲は?」
「中型・大型トラック免許の取得にかかる費用や期間が知りたい」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
トラック免許は、運転できる車両の種類や用途によって異なります。また、取得方法や費用、法規制などを正しく理解することが、安全運転やキャリア形成において重要です。
この記事では、トラック免許の種類ごとの特徴や運転可能な車両範囲、中型・大型免許の取得方法、さらには企業の運用管理におけるポイントまで詳しく解説します。これから免許取得を目指す方やトラックドライバーとして働きたい方は、ぜひ最後までお読みください。
1 トラックの積載量による分類
トラックは積載量によって分類され、それに応じた運転免許が必要です。積載量とは、トラックが安全に運搬できる最大の貨物重量を指します。
適切な積載量を守ることで、車両の安全性を確保し、法的リスクを回避できます。
1-1 最大積載量の定義と確認方法
最大積載量とは、トラックが安全に運搬できる貨物の重量のことです。具体的には、トラックの荷台に積むことができる貨物の最大重量を指します。
確認方法は以下のとおりです。
- 車検証の「最大積載量」の欄を確認する
- トラックの後部に貼付されているラベルで確認する
- メーカーが発行する車両仕様書で確認する
注意点として、最大積載量を超えて荷物を積むことは、車両の安全性を損なうと同時に法律違反となります。
積載量を適正に管理し、安全運行を心がけましょう。
1-2 過積載のリスクと企業責任
トラックの過積載は、最大積載量を超えて貨物を積むことで、重大なリスクを引き起こします。過積載状態での運転によって制動距離が延長され、車両の安定性も低下するため、事故の危険性が高まるのです。
さらに、道路や橋梁への損傷も発生しかねません。
法律面では、道路運送車両法違反となり、運転者だけでなく、運行管理者や事業者も罰則の対象になります。車両総重量に応じた適切な免許を持たない運転者による過積載運転に対しては、より重い罰則が科されることもあるのです。
企業は、適切な積載管理と定期的な重量確認を徹底し、安全運行と法令遵守に努める必要があります。
2 車両総重量による分類
トラックの運転免許は、最大積載量だけでなく車両総重量によっても分類されます。運転免許の種類によって運転できる車両総重量の上限が決められており、適切な免許を取得することが必要です。
次の章では、車両総重量の定義や計算方法について詳しく解説します。
2-1 車両総重量の定義と計算方法
車両総重量とは、トラック単体の重さに加え、乗車している人の重量、積載している荷物の重量のすべてを合計したものです。この車両総重量が、運転に必要な免許の種類を決定する重要な条件の一つとなります。
例えば、普通免許で運転できるトラックは、車両総重量が一定の基準未満である必要があります。一方、より大きなトラックを運転するには、中型免許や大型免許の取得が必要です。
車両総重量は、以下の計算式で求められます。
車両総重量 = 車両重量 + 乗車定員 × 55kg(1人あたりの平均体重)+ 最大積載量
2-2 車検証での総重量の確認方法
トラックの車両総重量は、車検証(自動車検査証)で確認できます。車検証は、車両に関するさまざまな情報が記載された重要な書類です。
車両総重量の単位は「kg」で表示されており、車検証の形式によって、記載箇所が異なります。
電子車検証の場合:上から5段目、左から4列目(令和5年1月4日から開始)
紙の車検証の場合:上から2段目、右から1列目
トラックの免許の種類は、車両総重量によって大きく異なります。ご自身が運転したいトラックの車両総重量を車検証で確認し、必要な免許を取得するようにしましょう。
2-3 トラックの大きさと企業の運用計画
トラックの大きさ(車両総重量)は、事業効率とコストに大きく影響するため、事業規模や計画に合わせた選定が重要です。荷物量や配送ルートを考慮し、適切な最大積載量を持つ車両を選ぶ必要があります。
例えば、小規模な事業には小型トラック、大規模な物流業務には、大型トラックが向いています。
運用コストの観点では、大型トラックは輸送能力が高い一方で燃費や高速料金、維持費が高額です。小型トラックはコスト効率がよいものの、輸送力に制限があります。
また、将来の事業拡大を見据え、長期的な視点での車両導入計画や必要な免許取得の見通しを立てることも、効率的なトラック運用につながります。
3 普通免許で運転できるトラック
普通免許を取得すると、一定の条件を満たしたトラックを運転できます。ただし、免許の取得時期によって運転可能な車両総重量や最大積載量が異なります。
ここでは、普通免許で運転できるトラックの種類や制限について詳しく解説します。
3-1 平成19年6月1日以前に取得した普通免許の運転範囲
平成19年6月1日以前に取得した普通免許では、現在の「中型免許(8t限定)」相当の車両を運転することが可能です。この時期の普通免許は、以下の条件を満たすトラックを運転できます。
- 車両総重量:8t未満
- 最大積載量:5t未満
- 乗車定員数:10人以下
当時は中型免許が存在せず、普通免許で4tトラックなどの中型サイズの車両も運転できる点が特徴でした。
現在の制度では、これらの条件を満たす車両を運転するには「中型免許(8t限定)」が必要です。
平成19年6月1日以前に普通免許を取得した方は、法改正後も引き続きこれらの車両を運転できますが、法令遵守のため、車両総重量や最大積載量を事前に確認しましょう。
3-2 平成19年6月2日以降に取得した普通免許の運転範囲
平成19年6月2日以降に普通免許を取得した場合、運転可能なトラックの条件が改正後の免許制度に基づきます。この時期の免許では中型免許が新設されたため、運転範囲が明確に区分されました。
平成19年6月2日から平成29年3月11日までに取得した普通免許では、以下の条件を満たすトラックを運転できます。
- 車両総重量:5t未満
- 最大積載量:3t未満
- 乗車定員数:10人以下
今回の法改正で中型免許が新設されたことにより、従来の普通免許保有者が運転できた4tトラックが運転不可能になりました。
3-3 平成29年3月12日以降に取得した普通免許の運転範囲
平成29年3月12日の道路交通法改正により、普通免許で運転できるトラックの範囲がさらに厳しく制限されました。改正後の普通免許では、車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満の車両に限られます。
この法改正により、従来の普通免許で運転可能だった車両の一部が対象外となり、中型自動車免許(8t限定)や準中型免許の取得が必要となりました。
この改正のメリットとして、小型車両を対象とすることで、初心者ドライバーの安全性向上が期待されています。
一方で、2tトラックを使用する業務では、準中型免許以上が必要になるケースが増えたため、運送業界では人材確保の課題が生じています。
4 普通免許では運転できないトラック
普通免許で運転できるトラックの範囲は、法改正によって年々縮小されています。そのため、以前は普通免許で運転できたトラックでも、現在では中型免許や大型免許が必要になるケースが増えています。
ここでは、普通免許では運転できないトラックについて解説します。
4-1 中型トラックの定義と特徴
中型トラックは、車両総重量が5t以上11t未満、最大積載量が6.5t未満の車両を指します。サイズの目安として、全長12m以内、全幅2.5m以内、全高2.5m以内とされています。この種類のトラックを運転するには、中型自動車免許の取得が必要です。
中型トラックは、小型トラックよりも多くの荷物を運べる一方で、大型トラックよりも小回りが利き、都市部での配送や中距離輸送に適しています。
平成19年の免許制度改正により、それまで普通免許で運転できていた車両サイズの一部が中型免許の対象となりました。
4-2 大型トラックの定義と特徴
大型トラックは、車両総重量が11t以上、最大積載量が6.5t以上の車両を指します。サイズの目安として、全長12m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内とされています。
この種類のトラックを運転するには、大型自動車免許の取得が必要です。
大型トラックの特徴は、一度に大量の荷物を運べることです。中型トラックや普通トラックと比較して、積載量が多いため、長距離輸送や大量輸送に適しています。
トレーラーやダンプカーなど、特殊な用途のトラックも多くがこの大型カテゴリーに含まれます。
大型免許の取得条件はほかの免許区分より厳しく、年齢や運転経験などの条件が設けられています。
4-3 特殊な形状のトラック(特殊車両)と必要免許
特殊車両と呼ばれるトラックには、主に2種類の形態が存在します。道路法第47条の2に基づき、道路管理者の許可が必要な車両です。
特殊構造車両:
車両自体の構造が特殊なトラックが該当します。具体例としてトラッククレーンや幌枠型トレーラー、あおり型トレーラーなどが挙げられます。
これらの車両は全長12m・全幅2.5m・全高3.8mを超える場合があり、運転には大型免許に加えて特殊車両通行許可が必要です。
特殊貨物輸送車:
分割不可能な大型貨物を運ぶトラックが該当します。最大積載量6.5tを超える建設機械や大型発電機などを運搬する場合、車両総重量が11t未満であっても特殊車両として扱われます。
運転には中型免許以上が必要で、積載物の形状に応じた通行経路の申請が義務付けられています。
4-4 違反した場合の罰則
普通免許の範囲を超えたトラックを無資格で運転した場合、道路交通法違反として厳しい罰則が適用されます。
中型トラックや大型トラックなど、保有する免許で運転できない車両を運転した場合、「無免許運転」となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
また、違反点数は25点が加算され、即時免許取消処分となるのです。
さらに、企業が無資格運転を黙認・指示していた場合、事業者にも両罰規定が適用され、法人としても処罰対象となります。
運転者本人だけでなく、運行管理者や企業にも責任が問われるため、それぞれの免許の運転可能範囲を正しく理解し、適切な免許を取得しましょう。
5 中型トラック免許の概要
中型トラック免許は、車両総重量7.5t以上11t未満、または最大積載量4.5t以上6.5t未満のトラックを運転するために必要な免許です。
ここでは、中型トラック免許で運転できる車両の範囲について詳しく解説します。
5-1 運転できる車両の範囲
中型自動車免許を取得すると、車両総重量7.5t以上11t未満、または最大積載量4.5t以上6.5t未満の車両を運転できます。これにより、4tトラックやマイクロバスなどの運転が可能となり、運送業や旅客輸送業での活躍の幅が広がります。
ただし、運転する車両がこれらの基準を超える場合、大型免許が必要となります。
また、平成19年6月1日以前に普通免許を取得した方は、「中型免許(8t限定)」として、車両総重量8t未満、最大積載量5t未満の車両を運転できます。
5-2 中型免許と中型免許(8t限定)の違い
中型免許と中型免許(8t限定)の違いは、運転できるトラックの車両総重量の上限にあります。
通常の中型自動車免許では車両総重量11t未満のトラックを運転できますが、中型免許(8t限定)では車両総重量8t未満のトラックしか運転できません。
また、最大積載量は5t未満であり、乗車定員も10人以下と定められています。
この「8t限定」は、普通免許(平成19年6月1日以前取得)を持っている方が、条件を緩和した特例で中型免許を取得した場合に付される制限です。
5-3 限定解除の条件と方法
中型免許(8t限定)を取得している場合、運転できるトラックの範囲が制限されています。より多くの車両を運転するためには、限定解除を行い正式な中型免許を取得する必要があります。
限定解除を行うには、以下の条件を満たす必要があります。
- すでに中型免許(8t限定)を所持していること
- 指定の教習所で限定解除講習を受講し、修了すること
- 運転免許試験場で技能試験に合格すること
限定解除は、教習所での技能講習を受講する方法と、運転免許試験場で直接技能試験を受ける方法の2つがあります。試験免除となることから、教習所で講習を受けるほうがスムーズに取得できるメリットがあります。
6 中型トラック免許の取得
中型トラック免許は、普通免許では運転できない中型トラックを運転するために必要な免許です。
中型トラックは、普通トラックよりも大きな車両であり、より多くの荷物を運搬できます。そのため、物流業界や建設業界など、幅広い分野で活躍できます。
6-1 取得条件
中型自動車免許を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 年齢:満20歳以上であること
- 運転経験:普通免許、準中型免許、大型特殊免許のいずれかを取得しており、通算2年以上の運転経験があること(免許停止期間を除く)
- 視力:両眼で0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上の視力があること(眼鏡やコンタクトレンズの使用可)
- 深視力:奥行知覚検査(深視力検査)において、平均誤差が2cm以下であること
- 色彩識別能力:赤色、青色、黄色の識別ができること
- 聴力:10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること(補聴器の使用可)
6-2 取得方法
中型自動車免許を取得するには、指定自動車教習所を利用する方法と、直接運転免許試験場で試験を受ける方法の2種類があります。
- 指定自動車教習所を利用する場合:
教習所に通い、学科・技能講習を受講し、卒業検定に合格すると、運転免許試験場での技能試験が免除されます。
特に未経験者には、段階的に運転技術を習得できるメリットがあります。普通免許を持っている場合、最短で約2週間程度で取得可能です。
- 運転免許試験場で直接受験する場合
運転経験が豊富な人向けの方法で、学科試験と技能試験の両方に合格する必要があります。
教習所を利用しないため費用は抑えられますが、技能試験は難易度が高く、一度で合格するのは難しいとされています。
6-3 取得費用の目安と地域差
中型自動車免許の取得費用は、教習所を利用するか、直接試験場で受験するかによって異なります。また、現在所持している免許によって教習時間や取得費用に差が出ます。
一般的に、教習所を利用する場合の費用は30万円~40万円程度が相場です。
教習所の費用は地域によって差があります。都市部では教習料金が高くなる傾向があり、東京や大阪では40万円前後かかることが一般的です。
一方、地方の教習所では30万円程度で取得できる場合もあります。
短期集中プランや合宿免許を利用すると、費用が抑えられることがあります。特に、合宿免許は宿泊費込みで30万円未満のプランもある上に、早期取得が可能な点がメリットです。
7 大型トラック免許の概要
大型トラック免許は、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上の大型トラックを運転するために必要な免許です。
ここでは、大型トラック免許の取得条件や運転できる車両の種類、メリットなどについて詳しく解説します。
7-1 運転できる車両の範囲
大型トラック免許(大型一種免許)では、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上の大型トラックを運転できます。具体的には、以下のような車両が該当します。
- 大型トラック(10tトラックなど)
- ダンプトラック
- タンクローリー
- ミキサー車(コンクリートトラック)
大型トラック免許を持っていれば、中型・小型トラックなども運転できます。ただし、路線バスや観光バスなど、旅客が乗る車両を運転するには、大型二種免許が必要となります。
7-2 準中型・中型免許との違い
大型免許は、準中型免許や中型自動車免許とは運転できる車両の範囲が異なります。主な違いは、トラックの車両総重量や最大積載量です。
準中型免許では、車両総重量7.5t未満、最大積載量4.5t未満のトラックを運転できます。これは、比較的小型の配送業務などに適しています。
中型免許では、車両総重量11t未満、最大積載量6.5t未満のトラックを運転可能です。これにより、大型免許が必要な車両よりひと回り小さい中型トラックを扱えます。
一方、大型免許ではこれらの免許よりもさらに重量のある車両を運転でき、長距離輸送や重量物輸送に適しています。
7-3 大型特殊免許との区別と適用範囲
大型免許と大型特殊免許は、運転できる車両の種類や用途が異なります。トラックを運転するためには大型免許が必要ですが、特定の作業用車両には大型特殊免許が求められます。
大型特殊免許は、ホイールローダーやショベルカー、ブルドーザーなどの特殊車両を公道で運転するために必要です。これらの車両は建設現場や農業、除雪作業などで使用されます。
どちらの免許を取得するかは、運転する車両の種類や業務内容によって決まります。適切な免許を選び、安全な運転を心がけましょう。
8 大型トラック免許の取得
ここでは、大型トラック免許の取得について解説します。今回の道路交通法改正により、免許取得条件や方法が異なる点もあるため、詳細な流れとメリットを確認しておきましょう。
8-1 取得条件
大型トラック免許を取得するには、いくつかの条件を満たさなければいけません。
まず、年齢は21歳以上であることが基本ですが、2022年の道路交通法改正により、特例教習を修了すれば19歳以上でも取得可能です。この場合、普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを通算1年以上保持している必要があります。
また、運転経歴が通算3年以上あることが求められます(免許停止期間を除く)。
身体条件としては、両眼で0.8以上、片眼で0.5以上の視力が必要で、深視力検査では平均誤差が2cm以下であることも条件の一つです。
8-2 取得方法
大型トラック免許を取得する方法は主に2種類あります。それぞれ異なるメリットがあり、目的や状況に応じて選択できます。
- 指定自動車教習所での取得:
教習所に入校し、学科教習と技能教習を受けた後、卒業検定に合格することで免許を取得する方法です。この方法では技能試験が免除されるため、合格率が高く安心して取り組めます。
仮免許を取得後、第2段階の教習を経て卒業試験に合格すれば、運転免許試験場で適性検査を受けて免許が交付されます。
- 一発試験による取得:
運転免許試験場で直接試験を受ける方法です。費用を抑えられるメリットがありますが、難易度が高く合格率は低めです。仮免許試験、本試験、講習などを経て免許交付となります。
8-3 取得費用の目安
大型トラック免許の取得費用は、教習所や地域によって異なりますが、おおむね30万円~40万円程度が目安です。費用には、技能教習料、学科教習料、検定料、その他諸経費が含まれています。
中型免許からのステップアップの場合は比較的安く取得できる場合がありますが、普通免許から直接大型免許を取る場合は費用が高くなる傾向があります。
また、教習にかかる期間も通学方法によって異なり、合宿免許なら最短で2週間程度、通学制なら2~3カ月程度かかることが一般的です。
なお、通学より合宿のほうが少し費用を抑えられる傾向があります。
9 外国人が運送業の免許を取得する方法・注意点等
人手不足が深刻な運送業界では、人材確保のために外国人を雇用する企業も増えています。
ここでは、外国人が日本でトラック免許を取得する方法と、その際の注意点について解説します。
9-1 取得方法
外国人が日本でトラック免許を取得する方法は、母国での免許の有無によって異なります。
母国で免許を持つ場合は「外国免許から国内免許への切り替え」を行い、持たない場合は自動車学校で教習を受ける必要があります。
まず、「日本語能力試験(N4以上)」や「国際交流基金日本語基礎テスト」に合格し、日本語運用能力を示さなければなりません。
その後、各都道府県公安委員会が実施する運転免許試験に合格し、免許を取得します。
最後に在留資格「特定技能1号」を申請し許可を得ることで、日本でトラックドライバーとして働くことが可能になります。
9-2 注意点
外国人がトラック免許を取得する際には、いくつかの注意点があります。
まず、外国免許からの切替申請では、原則として免許証の日本語訳文(外国免許の翻訳文)が必要です。この翻訳は、発給国の在日公館や日本自動車連盟(JAF)などの指定機関で作成されたものでなければなりません。
また、中型や大型のトラック運転免許を取得する場合、試験や講習はすべて日本語で行われるため、日本語能力が必要となります。
10 企業のトラック運用管理と戦略
企業がトラック運用を効率化するためには、法令遵守、安全管理、そして運行計画の最適化が必要不可欠です。
特に、車両総重量や最大積載量を正確に把握し、適切な免許を持つドライバーを配置することが求められます。
10-1 安全運転管理者の選任と健康管理
運送業を営む企業には、安全運転管理者の選任が法律で義務付けられています。これは、所有する車両台数によって条件が異なります。
- 車両が5台以上:安全運転管理者の選任が必要
- 車両が20台以上:安全運転管理者に加え、副安全運転管理者も必要
安全運転管理者の主な役割には、運転者の適性の把握、安全運転指導、運行計画の作成などがあります。
また、健康管理も欠かせません。
運送業では、トラックドライバーの健康状態が事故リスクに直結します。そのため、定期健康診断の実施や、SAS(睡眠時無呼吸症候群)検査の実施が推奨されています。
特に大型車両の運転では、一瞬の注意力低下が大きな事故につながる可能性があるため、健康管理は安全運行の基本といえるでしょう。
10-2 免許証確認の社内体制と法改正への対応
企業は、安全運行と法令遵守のため、従業員の運転免許証の確認体制を強化する必要があります。免許の種類や有効期限の管理に加え、道路交通法改正への迅速な対応も求められます。
- 免許証確認の社内体制:
運転免許の種類や有効期限を定期的に確認し、責任者を配置することで管理の精度を向上できます。
さらに、デジタル管理システムを導入することで、免許の期限切れや確認漏れを防ぎます。
- 法改正への対応体制:
道路交通法改正の情報は、業界団体や警察から適時収集し、社内で従業員へ周知することが重要です。
改正に伴い、車両配置や人員配置の見直しを行い、最新の運転免許制度に適応することで、安全かつ適法な運行が可能となります。
10-3 運転者教育と高齢ドライバー対策
トラック運転の安全性を確保するためには、適切な運転者教育と高齢ドライバー対策が欠かせません。特に高齢運転者は、反応速度の低下や身体機能の変化が影響するため、企業は安全管理を徹底する必要があります。
運転免許を取得した後も、トラックの特性や道路交通法の改正に対応するための教育が必要です。特に、中型自動車免許や大型免許を持つドライバーには、車両総重量や最大積載量の規制を理解させることが重要です。
企業は、定期講習やシミュレーション訓練を導入し、安全運転意識を向上させましょう。
高齢ドライバーの安全を確保するには、運転適性検査や健康診断の実施が有効です。
また、車両配置の見直しや、身体負担の少ない車両への切り替えを進めることで、事故リスクを低減できます。
11 まとめ
トラック免許は、車両総重量や最大積載量によって普通免許・中型免許・大型免許などに分かれています。それぞれの免許で運転できるトラックの種類が異なるため、自身の目的に合った免許を取得することが重要です。
特に、法改正によって免許制度が変更されることがあるため、最新の運転免許の条件を確認する必要があります。例えば、中型免許は平成19年と29年の法改正により、普通免許で運転できる車両範囲が制限されました。
また、企業の運転者教育や高齢ドライバー対策も、安全運行を実現する上で欠かせません。適切な免許取得と継続的な教育を通じて、安全かつ効率的なトラック運転を目指しましょう。