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運送会社のすべてが分かる|定義から課題・成長戦略までを総合的に解説

近年、消費者ニーズの多様化やEC市場の拡大により、物流や運送の重要性がますます増しています。

とりわけ運送会社は、荷主から預かった荷物を適切に梱包し、迅速かつ柔軟に運ぶことで、企業や小売業者のビジネスを支える重要な存在といえるでしょう。

本記事では、まず「運送会社とは何か」という基本的な定義を押さえ、日本における現状や課題、業務内容や輸送手段の特徴を詳しく解説します。

さらに、物流会社や配送・輸送との違いにも触れ、経営者が抱えるコストやドライバー不足といった問題の解決策、資金調達や今後の成長戦略まで総合的にご紹介します。

運送会社とは

運送会社とは、トラックなどを用いて荷主から預かった荷物を運搬する業者の総称です。多種多様な輸送手段を選択し、距離や貨物の種類に応じて最適な方法を提案します。

ここでは、運送業の基本的な役割や意義について整理します。

運送業の定義と役割

運送業は、貨物を預かって目的地まで届けるサービスを主とする業種です。

一般的にはトラック輸送が中心ですが、海上輸送や鉄道輸送、航空輸送なども含む幅広い輸送手段を活用しており、距離やコスト、荷物の種類によって最適な方法を選ぶ必要があります。

運送会社が担う役割は「荷物を運ぶ」ことだけにとどまらず、荷役や保管、梱包、さらには流通加工などの物流付帯業務を行う場合もあります。

荷主が抱える課題に合わせて、リードタイムを短縮し、品質を向上させるための調整を行うことも重要です。

近年は、小売やEC事業者との連携が進み、倉庫業務や情報管理など多くの工程を包括的に請け負うケースが増加しています。

日本における運送業の現状と課題

日本の運送業界は、働き方改革関連法、いわゆる「2024年問題」の影響により、ドライバー不足や残業規制の強化が深刻化しています。

ドライバーや現場スタッフの長時間労働が常態化していた運送会社にとって、労働時間を抑制しながら業務を維持することは困難です。これに伴い、人材確保のコスト増加も避けられません。

また、eコマースの拡大による荷物の増加で、小売業や通販サイトからの配送依頼が急増している現状もあります。

さらに、消費者からは「より迅速に荷物が届くこと」が求められており、業務負担は増大し、経営を圧迫する要因が増えています。

こうした多くの要素が絡み合い、トラックの運転手が不足するだけでなく、燃料費や車両維持費などのコスト負担も重くなっています。

2024年問題により、運送会社は、これらの課題に柔軟に対応していかなければなりません。

運送会社の種類と特徴

運送会社は主に「業務形態による分類」と「取扱貨物による分類」に大別できます。

まず、業務形態による分類では「一般貨物運送事業者」と「特定貨物運送事業者」の2種類が代表的です。

一般貨物運送事業者は、不特定多数の荷主からの貨物を有償で輸送する事業者を指します。

特定貨物運送事業者は、特定の荷主の依頼貨物のみを運ぶ事業者のことです。柔軟にスケジュールが組みやすいメリットがある一方、荷主の事業の状況に左右されるデメリットもあります。

一方、取扱貨物による分類では、例えば宅配便事業者や3PL事業者などが挙げられます。

宅配便事業者は主に小口貨物の仕分けや包装、短いリードタイムでの配送を得意とします。

3PL事業者は、運送だけでなく倉庫業務や流通加工、在庫管理までを包括的に受託し、荷主の物流全般を支える事業者です。3PLを活用すると、荷主側はコア業務に集中できるというメリットが得られます。

運送会社を選ぶ際は、自社がどのようなニーズを抱えているのかを整理した上で、最適な業態やサービス内容を提供する業者を選択することが重要です。

物流会社とは

運送会社と混同されやすいのが「物流会社」です。物流会社は、運送業務にとどまらず、倉庫や拠点の管理、流通加工などの幅広いサービスを担います。

以下では、詳しい物流会社の定義や提供サービスの範囲について見ていきます。

物流業界の定義と役割

一般的に「物流業界」とは、物の流れを最適化するためのあらゆるプロセスを担う業界の総称です。

具体的には、輸送や保管、荷役、梱包、流通加工などのプロセスが含まれます。これら一連の流れを効率的につなぐためには、輸送手段の選択やスケジュールの調整、適切な情報管理システムの構築が不可欠です。

物流業界の役割は、必要なときに必要な場所へ、品物が迅速かつ確実に届くようにすることにあります。小売業者や製造業など、さまざまな分野の企業活動を支える上で欠かせない存在です。

また、顧客満足度を左右する「リードタイム」や「品質」も物流の優劣によって大きく変動するため、企業間競争において非常に重要なポイントだといえます。

さらに、消費市場の変化に伴い、物流会社は柔軟な対応力を求められています。

例えば冷凍食品や医薬品など温度管理が必要な輸送、長距離・多頻度配送などが増加し、より高度な専門性を要する場面が多くなっています。

そのため、物流業界が提供する価値はますます高まっているといえるでしょう。

物流会社が提供するサービス範囲

物流会社のサービス範囲は多岐にわたります。

代表的なサービスとしては、まず在庫の保管管理や仕分け、ピッキングなどを行う倉庫業務が挙げられます。これに流通加工を加えることで、ラベル貼付や簡易的なセット組みなどを行うことも可能です。

こうした作業を一貫して提供することで、荷主企業にとっては業務効率が向上するメリットがあります。

次に、トラックや鉄道、海上、航空など多岐にわたる輸送手段を使い分けて、距離や貨物の特性に合った最適な方法を提案する輸送サービスが挙げられます。

また、リードタイムの短縮を図るためには、荷役作業の効率化や配送ルートの見直しなどが必要です。

最近では情報管理システム(WMSやTMSなど※)を導入し、受注から配送までを一元的に管理する物流会社も増えています。

さらに、コスト面やオペレーションを最適化するために、3PLとして顧客企業の物流部門をまるごと委託されるケースも珍しくありません。

こうした包括的なサービス提供によって、荷主側は人的リソースをコア業務に集中できるというメリットを得られます。

※WMS(倉庫管理システム):Warehouse Management Systemの略。主に倉庫内の商品を適切に管理し、出荷するまでの流れを担う

 TMS(配送管理システム):Transport Management Systemの略。主に出荷後、商品が届く時間などの配送状況を管理する役割を担う

現代における物流の重要性

現代社会において、物流は企業活動の生命線ともいえる存在です。

例えばECサイトの普及によって、「今日注文して明日届く」というサービスが当たり前になりつつあります。

消費者にとっては利便性が高い一方、物流現場では仕分けや配送にかかる負荷が大きくなるという課題が発生しています。

さらに、企業間の競争においては、迅速性と同時にコストの最適化も重要な要素です。

物流プロセスを効率化し、必要に応じて外部の物流会社を活用することで、企業の利益率が改善する可能性があります。

特に、多くの企業が持つ複数の拠点をつないでシームレスに商品を流通させるには、情報管理システムの構築と高度な調整力が欠かせません。

また、最近ではサプライチェーン全体の最適化を意識した「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の流れが一段と強まっています。

AIやIoTによる需要予測や在庫管理の精度向上、輸送ルートの最適化など、テクノロジーを積極的に取り入れることで、企業は物流品質の向上と効率の両立が可能になります。

運送会社と物流会社の違い

運送会社と物流会社は、どちらも「物を動かす」点では似ています。

しかし、運送会社は「運ぶこと」が主な業務内容であるのに対し、物流会社は倉庫業務や流通加工など、より幅広いサポートを提供する点が大きく異なります。

業務範囲の違い

運送会社は「荷物を運搬すること」に特化しており、トラックやバン、バイク便などを活用し、荷主のもとから目的地まで貨物を届けます。

一方で、物流会社は輸送だけにとどまらず、保管・仕分け・梱包・流通加工といった倉庫業務も含む総合的なサポートを行います。

このような違いは、荷主が求めるニーズや業務範囲にも大きく影響するでしょう。

例えば、小売企業が大量の商品を扱う場合には、物流会社に倉庫機能の委託を行うほうが効率的です。保管から梱包、配送まで一括で任せることで、社内のリソースを販売戦略や顧客対応といったコア業務に集中できるメリットが生まれます。

逆に、限定的な距離の輸送や日常的な配送業務だけをアウトソーシングしたい場合は、運送会社を直接利用する選択が適しているでしょう。

ただし、どちらを利用するにも、最適な業者を選ぶにはコストとサービス内容のバランスを見極めることが重要です。

特に、外部委託によるデメリットとして自社で直接コントロールしづらい面がありますが、契約やシステム面で情報共有を徹底することで、それを最小限に抑えられます。

ニーズに応じて柔軟に組み合わせることが、円滑なサプライチェーン構築のポイントといえます。

配送・輸送との違い

「配送」と「輸送」は似たように使われがちですが、ややニュアンスが異なります。

ここでは配送の特徴や範囲、そして輸送がどのように位置づけられるのかを整理し、それぞれが運送業や物流業において果たす役割を検討します。

配送の特徴と範囲

配送は一般的に、拠点からエンドユーザーや小売店などの最終的な受取先まで、荷物を届けるプロセスを指します。

例えば、宅配便は代表的な配送形態であり、個人宛ての小口配送が多いのが特徴です。梱包済みの商品を顧客の玄関先まで運び、最短日数で確実に届けることで消費者の利便性を高めます。

配送サービスでは、リードタイムが短く設定されることが多いため、迅速性や柔軟性が大きなポイントとなります。

最近ではネット通販の普及に伴い、当日や翌日配達など、よりスピーディな配送が求められるようになりました。ただし、ドライバーの労働時間や配送ルートの過密化など、現場には大きな負担が生じています。

さらに、企業にとっての配送は売上に直結しやすいため、品質や情報管理も重要です。荷物の遅延や破損は、顧客クレームに直結するリスクがあるため、配送プロセスにおける倉庫での仕分けやトラックへの積み込みなど、細やかな調整とマネジメントが求められます。

こうした工程を外部の運送会社に委託する場合も多く、その際のコストや契約条件とどのように折り合いをつけるかも、大事な検討事項になります。

輸送の特徴と範囲

輸送は、貨物や人を地理的に移動させる行為全般を指す、より広義の概念です。

例えば長距離の海上輸送や鉄道輸送、航空輸送のように、国際間や国内の遠隔地との物理的距離をカバーするための移動手段も「輸送」に含まれます。

一方、「配送」は比較的短い区間での輸送をイメージすることが多く、最終消費者へ届ける段階を指すことが一般的です。

輸送においては、大きな設備投資が必要となるケースもあります。

大型トラックや船舶、航空機などを扱う場合、運用コストやメンテナンス費用が高く、かつ運行スケジュールの厳守が求められます。そのため、輸送事業者には高度な情報管理や運行計画の立案能力が要求されるでしょう。

また、輸送の特徴としては、小売やECの最終顧客へ直接「届ける」段階より前の工程が中心になるため、物流の川中・川上部分を担うことも多くなります。

荷主企業の工場や主要拠点から別の拠点や仕向地へ貨物を運ぶケースが多いため、運送会社と同様にリードタイムやコスト面での課題が重要です。

企業がどのように輸送を活用するかによって、サプライチェーン全体の効率やコストが大きく左右されます。

運送業界の経営課題

運送業界は人材不足や燃料費高騰など、さまざまな経営課題を抱えています。

ここでは、特に経営者にとって見過ごせない要素である燃料費とドライバー不足に焦点を当て、現状と背景、対策について解説します。

燃料費高騰の経営への影響

燃料費は運送会社にとって大きな固定費の一つです。

トラックの台数が増加するほど燃料コストも比例して増大するため、経営に与えるインパクトは大きくなります。

燃料の価格が高騰すれば、その分だけ運賃を上げざるを得ないため、荷主との料金交渉が必要になるかもしれません。

また、燃料費が高騰すると、運送会社は利益率を維持するためにコストの見直しを迫られます。

具体的にはトラックの稼働ルートの再調整や共同輸送の活用など、より効率的な運搬方法を模索するのが一般的です。

鉄道や船舶への切り替えなど、柔軟な輸送手段の見直しも有効な選択肢になるでしょう。

さらに、燃料費高騰はドライバー不足と相まって企業の経営を圧迫する大きな要因ともなります。

コストの増大を荷主に転嫁できない場合、運送会社が赤字経営に陥るリスクが高まる可能性があります。

そのため、燃料サーチャージなどの仕組みを導入したり、エコドライブ教育を実施したりと、コスト対策や品質維持に向けた取り組みが急務です。

ドライバー不足と業界特有の人材課題

ドライバー不足は、長時間労働や不規則な勤務体系、給与水準など、運送業界特有の労働環境から生じる深刻な問題です。

特に、若年層の労働人口減少が続く日本社会において、運送会社は人材の確保が難しくなっています。2024年問題による労働時間の規制強化も、ドライバー不足に拍車をかける要因といえるでしょう。

さらに、ドライバーだけでなく、倉庫業務や仕分けなどを担う現場スタッフの不足も大きな課題です。

荷役作業の効率化やシステム導入を進めても、人員が確保できなければ業務を回せません。

特に繁忙期には急な受注増が発生しやすく、人手の柔軟な調整が難しい局面が多くなります。

このような状況を解決するためには、働きやすい就業環境の整備や給与・待遇面の改善が不可欠です。

最近では、AIやロボットを活用した自動化、DXによる情報管理の高度化などで人材の負担を軽減し、より魅力的な職場づくりを進める取り組みが活発化しています。

運送会社の資金調達と経営安定化策

運送会社が継続的に事業を維持・拡大していくには、安定した資金調達と資金繰りの改善が重要です。

ここでは、運送業ならではの資金課題や、リースバックやファクタリングなどの資金確保手段について整理します。

運転資金の確保方法と資金繰り改善

運送業には、燃料費や車両整備費など定期的に支出が発生するという特徴があります。

ドライバーや倉庫スタッフの人件費も大きな割合を占めるため、運転資金を安定的に確保できないと経営が厳しくなるのです。

このような資金課題を解決するためには、銀行融資だけでなく多角的な資金調達手段を検討する必要があります。

まず注目されているのが、リースバックとファクタリングです。

リースバックとは、所有しているトラックなどの車両を一度売却し、同じ車両をリースとして使い続ける仕組みです。

これにより、売却時にまとまった資金を手に入れることができ、同時に業務内容や輸送手段を変える必要がないというメリットがあります。

一方、ファクタリングは売掛金をファクタリング業者に買い取ってもらい、現金化する方法です。

入金サイトが長い取引でも、早期に資金を回収できるため、資金繰り改善につながります。

また、ファクタリングの審査では、自社より請求先の信用力が重視されるため、一般的に金融機関の審査に通過しづらい場合でも、利用できる可能性があります。

資金繰りを改善するには、単に調達手段を増やすだけでは不十分で、コスト管理や取引先との契約条件の見直しなど、経営全体を見渡しながら柔軟に調整しなければなりません。

定期的に資金繰り管理を行い、適切な対策を立てることでキャッシュフローを安定させることが可能です。

今後の運送業界と成長戦略

運送業界を取り巻く環境は変化の速度を増しており、経営者には新たな技術やビジネスモデルへの対応が求められます。

ここでは、特に注目すべきデジタル化の動きと、小規模事業者のM&Aや事業提携の可能性について考察します。

デジタル化は避けて通れない

社会全体がデジタル化の波にある中で、運送業界も例外ではありません。

特に業務の効率的な運営や人材不足の緩和、品質向上など、多くのメリットを得られる可能性があります。

倉庫管理システム(WMS)や運行管理システム(TMS)を活用すると、トラックの走行ルートを最適化し、稼働コストを削減できるだけでなく、荷主への情報提供やリードタイムの短縮にもつながります。

また、DXの推進によって、消費者や取引先企業とのコミュニケーションが円滑になる利点もあります。

オンラインでリアルタイムに荷物の配送状況を共有し、柔軟に調整できるようになれば、企業イメージの向上にも寄与します。

ただし、導入には初期投資が必要であり、システムの選択を誤るとデメリットを抱えてしまうリスクもあります。

とはいえ、世界的な競争の激化や労働人口の減少を考慮すると、デジタル化はもはや回避できない流れといえるでしょう。

物流センターや拠点間をつなぐ情報ネットワークの構築、データ分析を通じた需要予測の精度向上など、具体的な施策を早期に導入することで、ビジネスの持続的な成長を確立することが期待されます。

小規模運送会社のM&A・事業提携の可能性

ドライバー不足やコスト増などの課題が山積する中で、小規模運送会社が生き残りを図る手段の一つとして、M&Aや事業提携が注目されています。

大手の運送会社や物流会社から見ると、小規模ながら地域に根差した拠点や特定の顧客基盤を持つ業者は、魅力的な買収候補になり得ます。

一方で事業承継問題を抱える小規模事業者にとっては、M&Aによって会社を次世代につなげられるメリットがあります。

また、共同配送の仕組みなどで事業提携を行い、リードタイムの短縮やコスト削減を図る方法も有効です。

特に増加し続けるEC需要に対応するには、単独で設備投資を行うよりも他社と連携し、システムやインフラを共同で活用するほうが効率的といえます。

ただし、M&Aや事業提携に踏み切るには、企業文化や業務内容の統合がスムーズにいくのかなど、事前に慎重な検討が必要です。

具体的には、従業員の処遇や既存顧客との契約条件など多岐にわたる要素があり、十分な準備をしないままでは大きなデメリットを招くリスクもあります。

今後はこうした枠組みを上手に活用し、業界全体で協力することで、長距離輸送を含むさまざまなニーズに対応していくことが求められるでしょう。

まとめ

運送会社は、ただ荷物を「運ぶ」だけではなく、梱包や仕分け、情報管理など多岐にわたる業務内容を担い、企業や小売業者のサプライチェーンを支える存在です。

一方で、ドライバー不足や燃料費高騰など、2024年問題などを背景に、大きな課題を多く抱えています。

こうした状況を解決し、事業を効率的に維持していくためには、輸送手段の見直しや3PLの活用、さらにDXを加えることでの効率化やコスト削減が欠かせません。

また、リースバックやファクタリングといった資金調達策、M&Aや事業提携による業務拡大も、経営を安定させる上で有力な選択肢となります。

今後も運送会社に求められる役割は拡大していくことが考えられるため、柔軟な戦略構築と継続的な業務改善が重要です。

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